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電源選びのプロが解説~ME機器の基本~

電源選びのプロが解説~ME機器の基本~

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医療機器と聞くとどんなものを想像されるでしょうか? 機器と聞くとつい、機械的なものをイメージしてしまいますが、一口に医療機器といっても身近な包帯やピンセット、コンタクトレンズ、MRIまでその種類は非常に多岐に渡ります。
 
薬機法施行令 別表第1では、機械器具・医療用品・歯科材料・衛生用品・プログラム・動物専用医療機器が医療機器であると分類されています。
 
 

 
 
本コラムでは、医療機器の中でも 弊社が取り扱う医療用電源に関連する、「医用電気機器(ME機器)」に焦点をあて、関連する法律や規格等について解説していきたいと思います。
 
 

【医用電気機器(ME機器)とは】

それでは、「医用電気機器(ME機器)」とは何かについて説明していきましょう。
医用電気機器は医療機器の一部であり、JIS T 0601-1:2017にて下記の通り定義されています。
 
 

 
 
つまり、医用工学を応用して開発され、病院、診療所において治療や診断・監視に使用される機器の事をME機器といいます。
 
人工呼吸器、輸液ポンプ、心電図モニター、レーザ治療装置、超音波手術装置など種類は多岐にわたります。医療機器の高度化が進んだ現在では、病院内の医療機器のほとんどが当てはまると言えるのではないでしょうか。
 
 

 
 

【ME機器の安全性】

ME機器の事故で気を付けなくてはならないものが感電(電撃)です。
 
感電による被害の大きさは、身体を流れる電流の経路と大きさにより異なりますが身体の表面に100mA以上が流れたり、心臓に直接100μAが流れた場合、火傷をしたり死亡してしまう事もあります。
 
ME機器に繋がれている患者は、病気で体調が優れない、麻酔が効いていて体をうまく動かすことができない等、感電してもすぐに逃げることが出来ない状態の方もいるため非常に危険です。こうした例の通り、時にME機器は人の生命に直接的な影響を与えてしまうリスクがあります。
 
 
従ってME機器では一般家電製品よりも安全対策を強化し、「安全性(Safety)」「有効性(Efficacy)」「品質(Quality)」の確保が極めて重要になるのです。
 
 

 
 

【薬機法とは?】

日本では、ME機器を含む医療機器を「薬機法」という法律で規制・管理しています。
「薬機法」とは”通称”で、正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」といいます。*旧:薬事法 (2014年に薬事法が法改正され施行された)
 
この法律に基づき、医薬品・医療機器等の製造から販売、市販後の安全対策まで、一貫した規制を行う事で「安全性(Safety)」 「有効性(Efficacy)」「品質(Quality)」を確保する事ができています。
 
 

【医療機器の分類】

医療機器は患者へのリスクの高さに応じて、法的分類区分やリスクの区分(クラス分類)があります。医療機器を製造する場合、対象となる区分に応じて製品化へのプロセスが大きく異なります。
 
 

 
 
医薬品、医用電気機器等は、製造企業等が様々な試験を実施し、「安全性(Safety)」、「有効性(Efficacy)」、及び「品質(Quality)」について問題がないか確認を行います。
その試験結果に基づき、厚生労働大臣へ承認申請を行い、問題なければ承認され医療現場で使用する事ができるようになります。
 
「安全性(Safety)」「有効性(Efficacy)」「品質(Quality)」の確保は、国や地域により多少 規制方法は異なりますが、医療機器の三原則といえる重要な要素と言えます。
 
 

 
 
日本では『独立行政法人 医薬品医療機器総合機構Pharmaceuticals and Medical Devices Agency(PMDA)』という機関が、医薬品や医療機器などのSEQについて、薬機法に基づき指導・審査しています。
 
 

【医療機器を取り巻く規格と法律について】

医療機器の製造に携わる場合、必ず理解しておきたいのは医療機器に関する国際規格です。法律が要求する「安全性」「有効性」「品質」を具体的に製品で実現するために、ISO(国際標準化機構)、IEC(国際電気標準会議)などが定める、規格を参照する事が必要となります。
 
 

 
 
医療機器の製造においてはISO13485をベースに作られた、QMS省令を遵守する事が法的に要求されていますし、有効性・安全性の確保についてはIEC60601-1、IEC62304といった国際規格があります。規格自体に強制力はありませんが、各国の法律と結びつく事で、法的拘束力を持つようになります。
 
 

いかがでしたでしょうか?今回はME機器の規格や法規制について解説いたしました。
弊社ではME機器向けに設計された電源製品を専門的に扱っております。
規格や性能について詳しくお知りになりたい場合は以下の資料をDL頂くか、ぜひ弊社スタッフまでお問合せください。
 
 

製品資料ダウンロード
対応規格や製品性能、応用例などをご紹介



 

 

この記事を書いた人

高田 悠以(たかだ ひろい)
株式会社エスエムアイ 代表取締役
愛知県生まれ。名古屋外国語大学卒業後、シアトル留学を経て株式会社エスエムアイに入社。
医療用絶縁トランス、スイッチング電源、ACアダプター、DC-DCコンバーター等 電源製品の開発営業として勤務。日本のモノづくりを愛し、「お客様のお客様を満足させる事が真の顧客満足」をモットーに営業活動に従事。2018年に株式会社エスエムアイの代表取締役に就任。

 
 

本コラムに掲載している情報は、株式会社エスエムアイの調査/収集した情報を共有する事を目的としております。掲載にあたり内容に間違いがないかできる限り注意を払いましたが、内容についていかなる表明・保証を行うものではありません。実際に機器設計や電源選定を行う際は、当資料の情報に全面的に依拠せず、最新の法令・規格・技術情報をご確認下さいますようお願い申し上げます。

 
 

●参考文献●
1)独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA) ホームページ
医療機器の認証基準・承認基準・審査ガイドラインについて
2)医療機器製造.COM ホームページ Ⅱ.電撃とは
3)JIS T 0601-1:2017規格書
4)図解で学ぶ 医療機器業界参入の必要知識(第2版) 株式会社じほう 発行

 

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