成層圏の挑戦:ODSシリーズが支える未来の通信テスト
成層圏の挑戦:ODSシリーズが支える未来の通信テスト
このコラムでわかること
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このコラム記事では、極端な温度条件下で動作する電源ソリューションの一例を紹介していきます。
現代の技術では、電源の安定性と信頼性は、産業、医療、航空宇宙など、あらゆる分野で欠かせない要素となっています。
特に、極端な温度環境下で使用される機器において、従来の電源では対応しきれない場面が多く見受けられます。高温や低温といった過酷な条件下でも、安定したパフォーマンスを発揮できる電源ソリューションが強く求められている中、私たちの技術が果たす役割はますます重要です。
弊社では、こうした過酷な環境に対応するため、最先端の電源装置を提供しており、協力会社と共に技術的な挑戦を続けています。例えば、32,000メートルの成層圏で摂氏-57度という極限環境に私たちの製品を送り、その高い信頼性を実証しました。このプロジェクトは、私たちのエネルギー変換システムの優れた性能を証明する一例です。
極限環境への挑戦:成層圏での通信テストを支える電源ソリューション
ヨーロッパを拠点とする航空機メーカーであり、旅客機や軍用機、宇宙機器を製造するリーディングカンパニーのエアバス社から、4G/5G通信ネットワークのテストにおける電源ソリューションについての相談を受けました。このプロジェクトでは、過酷な空中環境でも安定した電力供給が不可欠であり、エアバス社が求めていたのは、高い信頼性と安定性を備えた正弦波インバータでした。
高度32,000メートルに達する成層圏での通信テストは、技術的な課題が山積みです。特に、摂氏-57度(華氏-70度)という極端な低温環境下で、安定した電力供給を維持することは容易ではありません。こうした厳しい条件下で動作する機器には、通常の電源では対応できないため、特別な技術が求められます。
今回、私たちが協力させて頂いたのは、標準製品である「ODS-750-7273B」の提供です。このコンパクトな正弦波DC/ACインバータは、750VAの電力を供給するだけでなく、瞬間的な電力ピークにも対応可能です。成層圏でのテストに向けて、このインバータは非常に信頼性の高い選択肢となりました。極寒の環境下でも安定して動作するこの製品は、プロジェクトの成功に大きく貢献し、過酷な条件でも電源供給の信頼性を確保できることを実証することができました。
この結果がどのようにして達成されたか、詳しい内容が気になる方は、ぜひ動画をご覧ください!
ODS-750の紹介
ODS-750シリーズは、450Wから750Wの電力を供給する単相正弦波DC/ACインバータです。120V ACまたは230V ACの出力に対応し、入力電圧も12Vから110V DCまで幅広く対応しています。産業用や鉄道向けに設計され、高い信頼性を誇ります。
詳細仕様
さらに詳しい技術情報は、Premium PSUの公式サイトをご参照ください
ODS-750の詳細情報はコチラ
この記事を書いた人
- 高田 悠以(たかだ ひろい)
- 株式会社エスエムアイ 代表取締役
愛知県生まれ。名古屋外国語大学卒業後、シアトル留学を経て株式会社エスエムアイに入社。
医療用絶縁トランス、スイッチング電源、ACアダプター、DC-DCコンバーター等 電源製品の開発営業として勤務。日本のモノづくりを愛し、「お客様のお客様を満足させる事が真の顧客満足」をモットーに営業活動に従事。2018年に株式会社エスエムアイの代表取締役に就任。