USB PDについて 機能を利用するための注意点
USB PDについて 機能を利用するための注意点
USB PDは、「USB Power Delivery」の略称で、USB充電を大きく変えると言われている充電ケーブルの新規格です。USBの規格作成団体である、USB Implementers Forum(USB-IF)が規格した、USB Type-Cに対応した給電規格の一つで、1本のUSBケーブルで最大240W(48V/5A)の大きな電力の供給を行うことができます。
USB PDとUSB Type-C
現在使われているUSB端子(USBのコネクター部分)は、
・USB Type-A
・Micro USB
・USBType-C
の3種類に大きく分けられ、その中で最も新しい端子規格がUSB-Cです。
USB Type-Cには「CC(Configuration Channel)」という充電専用の信号ラインがあります。この「CC」は、充電器にUSB PD対応機器を接続すると、充電器とデバイスの間で通信が行われ、自動的に効率よく充電することを可能にします。
従来のUSB端子との違い
電力
従来の規格では、電力供給がそれぞれ
・USB2.0が最大2.5W(5V/500mA)
・USB3.0(3.2 Gen1)が最大4.5W(5V/900mA)
・USB BC1.2が最大7.5W(5V/1500mA)
でした。しかし、USB PDの電力供給は最大240Wで、その上、先ほど説明したUSB Type-CのCCの機能が接続によって電力を調節するため、より効率的に、急速に充電することが可能になりました。
対応できる機種
USB PDは、5V、9V、15V、20Vの4つの電圧に対応した電力の供給が可能です。そのため、スマートフォンだけでなく、ディスプレイやノートパソコンなど、比較的大きな電力が必要な機器も充電できます。さらに、従来は各種デバイスでそれぞれ給電用のACアダプタが必要でしたが、USB PDはひとつの電源で多様なデバイスを充電することができ、パソコンやスマートフォンの充電に関する周辺機器やケーブルを減らすことができます。
使用可能な電圧の幅も広がる
2021年5月に発表されたUSB PD 3.1では、従来の5V、9V、15V、20Vに加えて、新たに28V(100W以上)、36V(140W以上)、48V(180W以上)の固定電圧も選択できるようになりました。 その上、新しい調整可能な電圧モードでは、使用可能な電力に応じて、15Vから28V、36V、48Vのいずれかまでの範囲を選択することができ、受電デバイスは100mVの精度で特定の電圧を要求できます。
双方向に電気を送ることができる
USB PD対応のUSB‐Type‐Cケーブルは、電力供給側と受給側を入れ替える「ロールスワップ」という機能があります。例えば、パソコンをUSB PD対応の充電器に接続しディスプレイをUSB PD対応のケーブルで繋げれば、パソコンからディスプレイに充電することができます。また、このUSB PD対応の充電器をディスプレイに接続し、USB PD対応のケーブルをパソコンに繋いでおけば、ディスプレイからパソコンへの充電も可能になるということです。このように、双方向に電気を送ることが可能になりました。
注意点
ACアダプターやモバイルバッテリー、ケーブル、そして接続するデバイスの端子のどれか一つでもUSB PD対応でなければ、USB PDの機能で電力を供給することはできません。
さらに、すべてのデバイスがUSB PDに対応していても、充電器側の出力が小さすぎると急速充電が行われないため、デバイスがUSB PDに対応するかどうかに加え、充電器の最大出力も確認する必要があります。
また、全てのUSB Type-CがUSB PD対応とは限りません。そのため、USB PD対応のアクセサリーを探すときは、「USB Type-Cコネクタ=USB PD対応ではない」ということを知った上で、USB PD対応アクセサリーを探す必要があります。
SMIのUSB PD
SMIでもUSB PDに対応している充電器を販売しています。この製品は効率良く短時間で充電する一方で消費電力を抑えるため、エネルギー効率が非常に優れています。
参照サイト
USB PDとは?(USB Power Delivery)ーSANWA
USB Type-Cとは?ーSANWA
USB PDとは?充電規格の特長や使用時の注意点を解説ーLogitec
USB Power Delivery規格に対応!USB Type-Cのメリットと注意点ーELECOM